購買意欲を高める色は?色彩心理学を生かしたカラーマーケティング

私たちはさまざまな色に囲まれて生活をしていますが、色は私たちの心理に大きな影響を与えています。例えば、赤・オレンジ・黄色などの暖色系の色が気持ちを高める一方、ブルーなどの寒色系の色は気持ちを落ち着かせます。
色が人間の感情に及ぼす影響を利用することで、購買意欲を高めることも可能です。今回は色彩心理学を生かしたカラーマーケティングについてご紹介します。

カラーマーケティングとは

色彩心理学とは、色彩に対する人間の行動や反応を研究する学問です。この色彩心理学を応用したマーケティングを「カラーマーケティング」と呼びます。
1920年代、万年筆メーカーがそれまで黒色の軸が当たり前だった万年筆のレパートリーに赤を加えたことも、カラーマーケティングの古典的な例として挙げられます。

購買意欲を高める「赤」と信頼感を持たせる「青」

購買意欲を高める「赤」と信頼感を持たせる「青」

色はそれぞれ、異なる心理的効果を持ちます。飲食店では、お客様の気持ちを高めて食欲を増進させたり、顧客の回転率を良くしたりするため、暖色系の赤を内装やテーブルクロスなどに効果的に使用しています。
赤は「購買色」とも呼ばれ、赤を取り入れることで売り上げが大きく左右されるといわれます。例えば、広告のチラシやセールの値札などに赤色がよく使われているのをご覧になったことがあるでしょう。

一方、企業の中には、コーポレートカラーを青に設定するところも少なくありません。これは、青が持つ「信頼感」をアピールするために使われる場合が多いようです。以下にそれぞれの色から一般的に連想されるイメージを挙げてみましょう。

色から連想されるイメージ

  • 赤…エネルギー、強さ、元気
  • 青…冷静、知的、信頼
  • 緑…自然、環境、幸福
  • オレンジ…楽しさ、陽気、親しみ
  • 白…清潔、真実、平和
  • 黒…高級、神秘、重厚
  • 紫…繊細、不思議、エキゾチック
  • ピンク…女性的、優しさ、愛情
  • 茶色…安定、堅実、大地
  • 灰色…落ち着き、上品、大人っぽさ
  • 黄色…明るさ、希望、活発

色が及ぼす心理的効果

  • 赤…気持ちを高める、熱や温かさを感じさせる
  • 青…気持ちをリラックスさせる、集中力を高める
  • 緑…ストレスを減らす、心を癒す
  • オレンジ…陽気な気分にする、親しみが生まれ仲間意識を高める
  • 白…清潔な印象を与える、気分を一新させる
  • 黒…物を実際よりも重く感じさせる、強さを感じさせる
  • 紫…ヒーリング効果がある、感性を刺激する
  • ピンク…愛情が欲しくなる、幸せな気持ちになる
  • 茶色…安定感を与える、緊張を和らげる
  • 灰色…控えめな印象を与える、上品さを感じさせる
  • 黄色…喜びや希望を与える、判断力を高める

カラーマーケティングのECサイトへの応用

カラーマーケティングのECサイトへの応用

前述のとおり、購買色の1つである赤は日常のあらゆるところで使用されています。ECサイトであれば、購入ボタンなどといったアクションボタンに赤を使うことで、お客様の購買意欲を刺激する効果が見込めます。
また、オレンジや黄色のボタンを使用したサイトも多く見られますが、これは色が持っている気分を高揚させる性質をうまく活用しています。

サイトはターゲット層に合わせた配色に

カラーマーケティングをECサイトに応用する場合のポイントは、ターゲットに合わせた色を使用することです。
例えば、男性向けサイトと女性向けサイトを比較すれば、使われている色が全く異なることに気付くでしょう。男性向けサイトは黒を基調としたダークな配色が中心であるのに対し、女性向けサイトはピンクなどの明るくポップな色がよく使われています。女性向けサイトにピンクが使われる理由は、扱う商品に対して「かわいい」という感情をサイト閲覧者に引き起こさせ、購買へとつなげるためです。したがって、ECサイトのターゲット層が女性の場合、ピンクなどを効果的に使ったデザインでWEBサイトを作ることをおすすめします。

流行色を上手に使う

お客様の心をつかむため、ECサイトに流行色を取り入れる手法も効果的です。一般社団法人日本流行色協会は、「2016年の色」としてアースリングブラウン(落ち着いたトーンで安心感のあるブラウン)を選びました。ファッション系のECサイトなどはこの流行色を使うことで、購買意欲の高い客層にファッションに対する意識の高さをアピールできるでしょう。

おわりに

同じECサイトでも、色の使い方1つでお客様の印象は変わります。色でイメージアップする場合もあれば、意図せずイメージダウンしてしまう場合もあります。ECサイトやアクションボタンの色 を決める際は、2パターン以上のデザインを用意し、実際にユーザーに見せて効果を比較するA/Bテストを行ってから決めましょう。

カテゴリ: 売上アップ

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