通販でのコンビニ後払い、払わないお客様への対応手順

コンビニ決済では、商品が届いてから料金を支払う後払い方式と、入金を確認してから商品を発送する前払い方式があります。後払いの場合、未払い問題が起こってしまい頭を悩ませている事業主様もいるのではないでしょうか。未払い問題は、うっかり忘れているケースから、初めから支払う意思がない悪質なケースまでさまざまです。今回は、後払いで支払いが遅れているお客様への対応方法をご紹介します。

後払いは未回収リスクへの対応が必要

未払いのお客様には、支払う意思のあるお客様と支払う意思のないお客様がいます。
コンビニの後払いはお客様にとって便利な決済方法である反面、ついつい払うのを忘れてしまいがちです。また、払込票を紛失してしまったお客様もいるでしょう。このようなケースは、催促後に連絡があり、払込票の再発行をすれば、すぐに支払ってくれます。

一方、何度督促の連絡をしても返事がなかったり、電話をしてもつながらなかったり、「支払う」と言って支払わなかったりという悪質なケースもあります。
このように同じ未払いでも、支払う意思のあるお客様とないお客様が混在しているため、事業主様はお客様の反応を見ながら段階的に対応を変えていくことが必要です。

支払わないお客様への督促手順

支払わないお客様への督促手順

未払いのお客様への具体的な督促手順をご紹介します。

  • 下記の方法は徴収が保証されているわけではありません。

(1)1回目の督促メールを出す

支払い期日までにお客様から入金がない場合、督促メールを出します。
メールには、注文内容や支払い金額、当初の支払い期日を記載し、
「平成○○年○月○日にお届けいたしました商品代金のご入金確認ができておりません。お約束の支払い期日が過ぎておりますので、至急ご入金くださいますようお願い申し上げます」
など、入金をお願いする表現の文言を使いましょう。
また、「ご入金と入れ違いになった場合はご容赦ください」との1行もマナーとして毎回記載することをおすすめします。

(2)2回目の督促メールを出す

1回目の督促メールを送ってから1週間以上たっても入金がない場合は、再度入金期限を設定して督促メールで通知しましょう。

(3)電話・手紙でも連絡する

2回目の督促メールを出す前後のタイミングから電話で連絡しましょう。電話がつながった場合は直接督促し、至急入金していただくよう伝えます。電話がつながらない場合は、留守電にメッセージを録音し、併せて手紙やFAXでも連絡を行います。

(4)3回目の督促メールを出す

再度設定した入金期限までに入金がなければ再度督促メールを出します。メールには、再三の請求をしていることと、新たに支払い期日を示してご入金をお願いすることに加えて、「なお、もしご連絡のないままにお支払いいただけない場合には、残念ではございますが、然るべき手段を取らざるをえませんので、あらかじめ申し添えます」との法的措置に触れる文言を記載しましょう。
法的措置の記載は未払いのお客様に強い影響を与えるため、この時点で入金されるケースが多数です。

支払う意思がないと判断した場合の対処とは?

支払う意思がないと判断した場合の対処

上記にご紹介した督促の手順を実施し、それでもお客様に支払い意思がないと判断した場合は、以下の対応を行います。

(1)内容証明を送付する

郵便局の内容証明郵便は、いつどのような内容の文書を誰から誰あてに差し出されたかを、日本郵便が証明する制度です。費用は証明内容の枚数にもよりますが、1,250~1,500円程度です。
法的な強制力はありませんが、その後の少額訴訟や警察へ刑事事件(詐欺罪)として被害届を出す場合には内容証明の送付が前提とされることが多いため、送付しておいた方が良いでしょう。

(2)督促手続きをする

督促手続きとは、債権者(事業主様)が債務者(未払いのお客様)の住所地の簡易裁判所の裁判所書記官に「支払督促」の申立てをすることで、債務者に対して金銭等の支払いを命じる制度です。
督促手続きオンラインシステムも整備されており、24時間手続きをすることができます。

(3)少額訴訟の手続きをする

少額訴訟は、60万円以下の金銭の支払いを求める場合に限り、利用できる訴訟手続きです。原則1日で審理が終了することがメリットで、少額訴訟判決に対する不服申立ては異議の申立てに限られ、控訴はできません。

(4)被害届を提出する

所轄地域の警察庁へ詐欺罪の被害届を提出します。捜査対象になるかは警察の判断になりますが、相手に対して強く意思を伝えることができます。

POINT

通販でのコンビニ後払い、払わないお客様への対応手順のPOINT

通販でのコンビニ後払いは、お客様と事業主様の信頼関係が大切です。支払い期限を過ぎていても、払込票を紛失したケースや出張、入院中などの事情があるかもしれません。支払う意思があるお客様もいることを念頭に、1回目の督促メールや電話連絡では、穏やかな表現を使うことを心掛けましょう。
また、未回収のリスクを軽減してくれる後払い決済サービスの導入もひとつの対策となります。

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